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[コメント] 孤独な場所で(1950/米)

一歩外せば、自業自得のバカップルの話やら安っぽい大味なサスペンスやらになる所を、丁寧な演出がそれを許さずに染み渡る深い哀しみで彩らせた必見の傑作。ただし、かなり暗い。全くニコラス・レイの映画は本当にどれもこれも暗いよなぁ・・・。
HW

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







恋愛から疑心へと移っていく心理描写がとても上手い。何よりも、初めは脇役みたいにさり気無く登場して、しばらくはよそよそしく冷たい空気だったグロリア・グレアムが、何時の間にかハンフリー・ボガートから主役を奪って、彼女の激しい孤独な葛藤が映画の中心となっているのに全く違和感無く見ていられるから凄い。

ラストも間延びさせずに、もう取り戻せない2人の関係の切なさをじんわり伝えていて素晴らしい出来。警察からの電話の絡め方も絶妙。

ただ、ディクソンなる男のあまりのバイオレンスっぷりや行動の軽さにはちょっと共感しにくい所があるし、やっぱり映画全体もドンヨリ暗く悲しい限りでハッキリ言って快感は無いから、5点と迷いに迷った末、4点。でも、良い映画ですね。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)ゑぎ[*] ジョー・チップ

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