[コメント] 連弾(2000/日)
連弾の名に相応しくテンポよく家庭崩壊と、リズミカルにその再生の過程の心地よい調べ。典型的な4人家族をデフォルメし、家族の本質を炙り出した脚本が光り、4人の役者の面白い演技も共鳴し光る。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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ソプラノの天海祐希、アルトの富貴塚桂香、テノールの簑輪裕太、バスの竹中直人の混声四部合唱。ソプラノが欠けては成り立たないし、アルトやテノールやバスも欠けても、合唱の魅力は欠ける。その一人が欠けるということが、一体どういう事なのかを嘘偽り無く描写されている。
非常に分かり易くシンプルな展開に、家庭と音楽の関連性や家庭と個人の関係の真髄を垣間見られた。どんなに時代が変わろうと変異しない普遍の響き「家庭」。それがラストの母親と娘が手を繋いで上に掲げた姿+父親と息子の遺伝溢れる仕草に、色鮮やかに現れていた。
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かなり蛇足ではあるが、「琴や三味線などを“二人以上”で演奏すること(大辞林:国語辞典)」を「連れ弾き(つれびき)」というらしい。そして『連弾』とは「一台のピアノで“二人が”分担して一つの曲を演奏すること(同)」とある。
主軸を連弾かと思わせて、家庭を超重点的に描いた作品なので、この作品の題名『連弾』は、土台が日本を含めて実は「連れ弾き」の略(又はダブルミーニング)なのかもしれない。家族4人は“二人以上”なんだし、脚本…もとい、譜面が錬ってあるので、あながち間違いではないと思う。内容を加味しても、連れ弾きの語感の方がしっくりくる。
2003/3/5
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