[コメント] ハムレット(2000/米)
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最近のシェイクスピアの現代版と言えば、ジョシュの『O[オー]』や有名どころでレオ太の『ロミオ+ジュリエット』だが、その中では一番好き。華やかでヒットしそうなロミジュリに対し、このハムレットはミニシアターの香りがぷんぷんする。そこがまた変にツボだったりした。
ロミジュリを見た時に、昔通りの台詞の違和感にイライラしてしまったが、これには不思議とそれがなく、むしろその違和感が心地好く感じた。それは、映像が妙に暗いせいもあるだろうが、何よりこの映画を構成するものが違和感に満ちているからなのかもしれない。それを象徴するのがあのハムレットの帽子だろう。シックなジャケットの上のあの帽子は明らかにおかしい。それは、彼を浮いた存在にする意図なのだろう(ただ単に現代をアピールしたかっただけかもしれないが)。そして仰々しい音楽、父の亡霊、突然のフェンシング……全てが違和感だらけ。この世界の話ではないようだ。だからこそ、あの古い台詞が逆に生きてくる。
この作品の中の世界は現代でもパラレルでもなく、その間、言うなれば“現代異世界”。この違和感を受け入れられるか、られないかで評価は真っ二つだろう。私はその違和感に酔わされ、思い切り楽しんでしまった。
あ、役者達も良かった。イーサンめちゃくちゃハマリ役。カッコイイ。リーヴ・シュライバーも相変わらず脇役でオイシい。オフィーリアはあまりカワイくなかったが……存在が好きだ。
とにかくなかなか良かったと思う
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