[コメント] メリイ・ウイドウ(1934/米)
中盤、二人が踊るカットと大量のペアがシンクロして踊るカットを交互に連続させたダンスシーンは全面鏡張りの部屋に迷いこんだかのようなシュルレアリスティックな美しさで、ダンスの画面としては空前の造型だ。ここに限って狂気性が突出している。終盤の牢獄は芝居の場として面白いだけでなく、美術も実によい。
しかしながら、このモーリス・シュヴァリエはいくらなんでもあまりにもいけ好かない野郎ではないか。「スケコマシ」が主人公を務めるにはもっとチャーミングさがなければならないと思う。つまり、同性である男から見てもチャーミングだと思えるようなところがなければ、スケコマシ野郎が主人公として観客の感情を牽引することはできないのではないか、ということ。その点ジェラール・フィリップやマルチェロ・マストロヤンニは偉大だったなー。と思う。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (1 人) | [*] |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。