[コメント] 午前中の時間割り(1972/日)
16ミリと8ミリ映像との混在は面白いが消化不良な印象。ただ、私的フィルム映像に写る「女」と「子供」の間の「女の子」の表情がとても印象的。(060126)
ビデオ映像と比較した8ミリフィルム映像というのは、それだけで詩的なモノに仕上がる。感度の低さが取捨選択する過程で、余計なモノがそぎ落とされるせいだろうか。それても、フィルムコストの問題で、1カット1カットが比較的短く、「一瞬」加減が思いを凝縮させることに繋がるのだろうか。ともかく、現在のファミリービデオの辟易と異なる点である。
有名な8ミリフィルム作品も数あれど、森田芳光の『ライブイン茅ヶ崎』は、プライベートフィルム加減が上手く昇華されている。
私自身、自分の初長編8ミリ作品は、映画作りの過程の中でラストシーンを自殺で締める主人公という、ありがちな設定の真っ青な作品で、フィルム作品でなければ恥ずかしくて作れなかっただろう。ただただ退屈ながら、案外、当時の空気が凝縮された詩的なものになっている(自画自賛)。フィルムを手にすると、素人でもいっぱしの作家気分に浸れる魅力がある。
そんな「時代の私的詩的青春風景」の作品と思えば、ATGらしい佳作である。
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