[コメント] 三人の狙撃者(1954/米)
なかなか面白い良く出来た犯罪映画だ。ちょっとテレビ的な構図の甘い画面に感じる部分もあるが、劣化したフィルムのパッケージングだからかも知れない。屋内シーンが多いのだが、会話の切り返しも複数人物の縦構図も、きびきびと繋いで巧く見せる。
特にシークレットサービスのチーフ=ウィリス・ボーシェイと、シェリフ=スターリング・ヘイドンに対して、フランク・シナトラが最初に発砲した後、いきなり、それまでと打って変わって凄い仰角カットとなる演出には唸った。天井が大きく見えている。異様な状況であることが、視覚的に強調して伝わってくる造型だ。他にも、偵察に出た犯人の1人と警官隊との銃撃戦のシーンも、タイトな演出で良いと思う。
主要な配役は皆好演だが、殺し屋の狂気と悲哀を体現したシナトラは『地上より永遠に』や『黄金の腕』よりも本作の方がいいんじゃないかと思えるほどだ。三人の狙撃者が立てこもる家の主(爺さん)ジェームズ・グリーソンはいつもながらの存在感。プロローグとエピローグがともに町の名前(原題『SUDDENLY』)に関する会話である、といった構成も落ち着きがいい。
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