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[コメント] 山の郵便配達(1999/中国)

日本の現状を考えるに公務員かくあるべしと言いたいところなれど、父親の考えの根本は「受容と忍耐」にあり、それを美徳として息子に強要し過ぎている。
アルシュ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







盲目のお婆さんに対する白紙の手紙の”勧進帳”は、私も息子と同じスタンスだ。

事前打ち合わせも無しに、”引継”などしたら嘘もバレバレである。引継(同行)無しで終わっていたら、父親は、盲目のお婆さんへの対応をどう考えていたのだろう?ここに脚本の穴がある。

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息子はヘリもある時代に、50kg以上の背嚢を担ぎ、3日間で120km(東京−富士山位の距離)の険しい山道を歩くという行為に疑問を感じてはいる。

そんな息子が本心をクチに出したのを父親は諫める。更にはラジオに合わせての歌という娯楽さえ許さない姿勢である。

別段、暗に便利になったIT社会への批判をしているのが許せないというわけではない。

この時代に、むやみに「受容」し「忍耐」を受け入れるというのが、私には納得いかない。

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更には、雄大な自然や、父と子の心温まる人情話に騙されてはイケナイ。

父の母との微笑ましい恋愛シーン。母の若い頃って1950年頃のはず。当時、日本でもあんな原色のノースリーブなんていでたちは存在しなかったし、野良仕事の娘たちのいでたちと化粧も然りである。

感情を煽るような音楽の多用も気になる。もう少し、抑えた演出を希望したかった。

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ただ一つ言えるのは「次男坊」は、近年稀にみる屈指の名脇役と言える。

(評価:★2)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)peaceful*evening[*] ボイス母[*]

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