[コメント] ベティ・サイズモア(2000/米)
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旦那が殺害される所を見てしまった故に、自分自身の妄想の世界に入りこんでしまったベティー。いわゆる精神障害に陥ってしまった訳ですが、その後、ベティーに会う全ての人物がベティーの事を精神障害者と気がつかない設定は腑に落ちません。どう見てもベティーは少し変わった女性ではなく明らかに精神障害者です。それを周りの人物が気がつかないのは常識外れと言うか、適当な心理描写だと言わざるをえないのではないでしょうか。例外的に周りの人間達が非常識だと言う設定だったら気がつかないと言う事も有り得ますが、本作の登場人物達はそれ程常識外れという設定では無いと思われますので例外的ではないのです。
殺し屋(モーガン・フリーマン)のベティ(レニー・ゼルウィガー)に対する感情も理解不能。この老人も妄想癖症なのでしょうか?
コメディーだからと言って、キャラの心理まで適当な描写をしてしまってはならないのです。心理描写はどのジャンルでも最大級の肝。これを踏まえた上での大げさな心理描写だったら良いのですが残念ながら本作品はその限りでは有りませんでした。これでは笑いたくても笑えない、物語の世界に入りたくても入れないのです。
兎にも角にも、イカレまくった登場人物達には感情移入なんて出来ません。心理描写がまともなのは主人公のベティだけなのですから。以上の事から、ベティ役のレニー・ゼルウィガーだけは魅力的でした。真剣に好きな人を追いかける姿が可愛らしいしチャーミングなのです。裏を返せば、この世界の中で唯一まともな役柄だったので、魅力的に感じたのかもしれません。
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