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[コメント] クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲(2001/日)

しんのすけは嫌いだ!
chokobo

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







私はずっとこのシリーズを嫌悪してきた者でございます。

なぜなら、この少年の大人を小ばかにする態度などがとても嫌で、近所の子供達がみんな自分のことを「オラ」と称していることも気に入らず、とにかく嫌いで嫌いでたまらない漫画だったわけです。

ところが先日、作家の臼井儀人さんがお亡くなりになったり、キネマ旬報の特集でもこの映画のことを高く評価する方のコメントが目についたため、「しょうがないので見てやるか。」という感じでこの映画を拝見しました。

まず、この映画の凄いところは、20世紀を題材にしている点で、20世紀に回帰することを美徳としている大人が次々に洗脳されてゆくという発想。この発想って、昭和な我々からするととても魅力的で、多分映画の世界では初めての試みだと思います。これかなり凄いことだと思います。

20世紀少年』が回帰思考であるのに対し、この映画は未来志向。

回帰することは誰でもできますし、大人感覚からすると温故知新的な発想で、ついつい未来を呼び戻してしまう傾向に陥るものなのでしょうが、ここに出てくる”しんのすけ”はあくまで前向き。

こんな前向き発想は、なかなか昭和で大人な我々では転換できにくいと思います。

笑えるシーンは子供向きですが、お話全体を構成しているのは、遅々として前に進もうとしない大人発想への決別を意味しているものと受け取りました。

2009/12/29(自宅)

(評価:★5)

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