[コメント] みんなのいえ(2001/日)
映画を見終った人むけのレビューです。
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「引き受けたからには最後までやるよ。でもねアーティストとしてはもういい、これからは単なる仕事としてやらしてもらいます」
この台詞に対して主人公が「だったら期日を守れよな!」と怒りますが、私も映画見ながら同じツッコミをしていました。
私はゲームを作るお仕事をしていますが、同じような台詞をよく現場で言われましたし、終いには仕事場に来なくなる人もいました。映画とかドラマとかゲームとかは、一見するとアーティスティックな部分の介入の余地があるのでよくこういう勘違いをする人がいます。
しかしね。仕事なんですよ。仕事。仕事である以上嫌だろうと興味がなかろうとムカつく奴がいようとキチンとプロとして全力を注いでやらなければいけないのです。
これは三谷幸喜自身がジレンマとして抱えているようで、主人公が執筆している劇中劇を褒められると、「その話はやめてくれ」とばかりに話を逸らしてしまう描写でもよくわかります。三谷幸喜自身も「仕事」としてやっている仕事がたくさんあるということでしょう。
そりゃあゴジラをメカゴジラにしても根本的な解決にはならないわなぁ(笑)。 でも、そういうバカげたリクエストがおうおうにして本当にあるから困っちゃうんだよな…。
映画で義理の父親とデザイナーはお互いを認めつつ和解しますが、本当の現場ではこういうことはまず起きません。必ずと言っていいほどケンカ別れです。そういう現実を眼にしてきた三谷幸喜が理想としての現場を描いた映画なのではないかと思います。
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