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[コメント] ディスタンス(2001/日)

つまらん。
ペンクロフ

本当を言うと、つまらんの一言で済ませてしまいたい。まあ、よくこんなもんをお客さんにお出しできるなと思う。

クソ真面目に観ていればたぶんああしたくてこうなってるんだろうなと作り手の意図は容易に想像できるものの、その意図は悉く失敗している。そもそも意図がうるさい。志が低い。何より陳腐だ。これ世に出しちゃうんだ、出せちゃうんだこの人、そう思うともうオレなんか小心なもんだから慄然とするのだ。おなかが痛くなるのだ。

オレは想像するのだ、きっと是枝裕和監督にだってこういう映画に無理解な親戚のオバチャンがいて、オバチャンは映画なんか1年で釣りバカくらいしか観ない。お盆に実家に帰って久々にオバチャンと顔を合わせたら、厚かましいオバチャンに「ヒロくんアンタの映画観たで、あのほら何やったけホレ、山ん中で帰れんようになるやつ、あれ退屈でなあ、わけわからんままウチ寝てもうたわ」とか言われるわけでしょう。そのときこの監督は、どうリアクションしてるんだろう。表面的にはああごめんなさいねとか言って苦笑してみせて、心中ではうるせえなあそりゃアンタには判んねえだろうよ、そもそもアンタ向けの映画じゃねえんだよ、オレはもっとこう、なんちゅうかこう、もっといい感じの、いい感じの、いい感じの… とボヤいているのだろうか。言うまでもないが、どんな偉い評論家先生の批評よりもこのオバチャンの言葉のほうが重いのだ。

(評価:★1)

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