[コメント] 脱出(1972/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
完全ネタバレあらすじとして紹介させてもらえば
自然を満喫しようと川下りにやってきた4人が地元住民にファックされ怒りのあまり殺してしまう。あわてて死体を隠すが取り逃がしたもう一人の住民が再度襲ってきて一人が死んだ。が、なんとかそいつを殺して地元警察にも知らぬふりを決め込んだが当事者Aさん曰く「とにかく恐ろしい出来事だった」と泣きながら答えるのだった。
という内容なのだ。赤レビューだから当然未見の人は上のあらすじは見ないだろうけどホントは読んで欲しい!そして(未見の人は)皆こう言うはずだ。「つまらなそうだ」と
俺のあらすじがつまらないのはまあそうなんだが面白おかしくあらすじを書いたとしても多分「つまらなそう」なのは変わらないと思われる。ここがこの映画の凄いところで最近の映画にある「面白そう」で観に行ったら「つまらなかった」映画とベクトルが全く逆。
それはこの映画が疑似体験に近いスタンスで作られたところが大きい。上のあらすじだって実際自分が体験した出来事なら一生忘れない思い出となるだろうし。監督がこの点を強調しているのが2シーンある。一人殺して川下りをしている時仲間が突然川に落ちる場面(相手に撃たれたかどうか判明しない、まさに当事者視点)とその直後の崖を登る所。特に崖を登ると相手がいない、っていうのは非常に観ているこちら側も不安にさせる。つまりここのシーンは
1.もう相手が違う場所に逃げた
2.近くに隠れている
3.そもそも撃たれていないのでは?
4.下と連絡が取れない(居場所がばれる)ので崖を降りるべきだろうか?
という考えが同時に渦巻く名シーンだ。同じ様に警官に尋問され、ばれるんじゃないか、とヒヤヒヤする場面も秀逸。これも徹底して当事者の立場で撮影されている。
ところで最後の警官は原作者だそうだが複雑な感情表現を何気なく演じている。一番演技が上手いっつうのが驚きだ
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (2 人) | [*] [*] |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。