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[コメント] LONG RUN ロングラン(1982/日)

主人公のガンバリよりも、低予算の中頑張っている制作者側のガンバリが印象強い映画です。
るぱぱ

 この映画に限らず、あまりに愚直な表現でメッセージを込められると大抵の場合はうんざりするものですが、一方でたまたまツボにはまったりすると、観る側は「クサイ」と知りながらも妙にそれを素直に受け入れてしまったりするもんです。

 私の場合、たまたま難題をいくつも抱えた時期にこの映画を観たためか、そのストレートさにいたく感動してしまい泣きながら観た記憶があります。評価としては「3」でもオマケ付きだと思うのですが、個人的にはどうしても忘れられない映画の一つです。

 「個人的には好きだがとても評価できない」かつ「小品」という作品は、得てして忘れられていく運命にあります。でも「学校の成績がすべてではない」というのと同じ論調で、「興行成績」や「作品の完成度」だけでは推し量れない魅力というものは確かに存在します。それはまるで目に見えないオーラのようにして作品から醸し出されてくるのですが、同調出来るかどうかは神頼みに近い部分があります。作品に念がこもっちゃってる―とでも言うんでしようか。これが<たまたまツボにはまったりすると…>の正体だと思うんですね。

 アメリカ大陸を横断しようとする若者がそれをやり遂げる―という(クサイ)話を、何とかしていい映画にしようともがいてそれをやり遂げた―という、二重の達成感が本来の作品の質とは全然関係のないところで感動を与えていました。話よりもスタッフロールに胸うたれたましたね。あたしゃ(^-^;)。

 私の個人的問題はやがて決着をみましたが、低予算であるが故にエキストラも十分確保できないラストシーンが、かえって私個人のちっぽけな達成感にふさわしく思われ、胸を熱くした思い出があります。何に付け誠意をもってしてあたれば、何らかの結果は出るのだ―と、当時まだ若かった私は思い知らされたのでした。

(評価:★3)

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