[コメント] 機械じかけのピアノのための未完成の戯曲(1977/露)
光の映画。窓枠を通じて床に映じる光。暗きに灯されるランプの光。一瞬あたりを明るく照らしてはまた暗きに沈む花火の光。チェーホフは知らないが、人間の在り来たりと言えば在り来たりな卑小な苦悩がロシアの大地の風光の中に溶ける。それは決して「癒し」ではないだろうけれど、やさしいことはやさしい。
(鷂)
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