[コメント] ビヨンド・ザ・マット(1999/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
前々から気になってた作品ではあった。
先日レッスル1というのを見た。
まぁボブ・サップとかブッチャーとかビル・ゴールドバーグとか、ムタだとかがでてた’あれ’です。
あれ見て思ったんだが、完全にエンターテイメントなんです。そしてこの映画のことを真っ先に思い出した。
「これがプロレスなのか?」
そういう思いも後押ししてレンタルしてみた。
自在にゲロ吐くだけで、平凡な経歴(レスラーとして)の男が採用。試合中に唾かけられて「あとで殺す!」と暴言を観客に吐くレスラー、厳しい下積みから這い上がろうとしてもなかなか上がれないレスラー、家族を泣かしてまで試合に出場して気付くレスラー、親父に甘えたいからレスラーになったレスラー、筋肉を見せびらかす女性レスラー、オーナーすらヒールレスラーとして出場
劇中のインタビュー曰く
「アメリカのレスリングに限界を感じるんだ。アメリカだとショーだけど、日本だとスポーツとして見られている」
とのこと。この前のレッスル1をもしこの人が見てたら絶望するだろうなぁ・・・
けど、別にショーだからといってプロレスを否定するわけではない。
観客を熱狂させ、試合のために脚本を作り、カメラワークを決め、衣装を作り、音楽を作り、そして試合中の打ち合わせまでする。
そんなプロレスだからこそ、八百長とわかってても熱狂させられるものがあるのだろう(正直俺はプロレス自体はそこまで好きじゃない)
しかしこの映画を見て、プロレスが好きになったとか嫌いになったとかそういう問題ではなく、単純にプロレスラーという職業の一人の男というかいっかの主人、父親として、夫として、そして夢見る人間がいるんだということに感動した。
小学校の先生でシェークスピアの研究をしているレスラーだっている。
娘の養育費を払う事のできない男もいる。栄光におぼれて墜落した男だって、過去の栄光を遠い目で見ながら体の限界を見て引退を決意する男だっている。
一人一人色んな人が居る。リングの上がすべてじゃない。
父親としてリングに上がっても、娘には「パパに会いたい」と呟かれ、母親は「見ちゃダメ」という。
なんといわれようと不器用な生き方しかできなかった男たち。
そんな彼らの会話に含まれるジョークと、そして家族愛に見事に感動させられた。
自分の試合ビデオを見ながら呟く「父親失格だな」。娘を泣かし、妻を泣かし、息子の闘争本能を刺激する(謎)。「お願いだから家族を泣かせないで」
そんなこといわれたったレスラーだもん。戦うしかないんだから。
彼らの背中は言葉に言い表せない熱さと優しさが溢れている。そんな彼らにみごとに心を揺さぶられた。
そうです。彼らはエンターティナーです。けど同時に夫であり、息子であり、そして何よりも、父親であります。
最後に・・・
ロック様かっこよすぎます。はい。『スコーピオン・キング』はあなたのほんの一部にすぎなかったのね。。。
さらに一言・・・
↑で男、男と連呼してますが、あの女性レスラー。多分俺は5秒でKOです。
―――追加
4点から5点に変更
せっかく投票いただいたのにすみません。
けど映画を見終わって、何度も何度も思い返すんです。彼らの背中を。
だから、点数を上げました。
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