[コメント] ひまわり(1970/伊)
思った以上にコテコテの戦争メロドラマで参った。しかしこの物語は嘘ではない。☆3.7点。
「結婚面倒臭いナァ〜」「アラいいオトコ。結婚しちゃおう〜」という典型的伊太公カップルの頭上にも爆弾の雨は降る。徴兵逃れで愉快な寸劇を演じてもすぐバレて前線に送り込まれる。「父chan絶対生きとるけん!」で凄い行動力を見せても、結論はハッピーエンドにはならない。
如何に強い個人であっても、戦争の現実にはあらがう術も無い。電気工事夫のアントニオが何の仕事をしているかは、背景の巨大な建造物がうかがわせる(但し、あの形の冷却塔は火力発電所でも使うらしい)。
戦争未亡人の再婚話、捕虜の話、脱走兵の話、未帰還兵の話、戦災孤児の話…、コテコテであろうと、それらが実際にあった事を我々は知っている。
物語そのものはコッテコテの戦争メロドラマで、些かマイッてしまったが、向日葵畑だけでなく、ロシア平原(ウクライナ?)の墓地、クレムリンやソ連外務省の撮影など、メロドラマとは対照的に大掛かりな撮影には迫力があり、それが上記の印象を、更に強いものにしている。
(2022.03 新宿武蔵野館にて鑑賞)
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