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[コメント] シャドウ・オブ・ヴァンパイア(2000/米)

ヴァンパイアの執念VS.映画監督の狂気。
G31

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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映画監督の撮影にかける執念の方がヴァンパイアの狂気を凌駕する、ってことが言いたいのだったら、途中、アヘンでラリって弱気を見せるシーン(監督)なんて挿入する必要なかったのにね。事実を忠実に描こうなんて気はさらさらないんだろうから、撮影途中に監督を不在にさせたり、カメラマンを交替させたりする必要もなかったのに。

フリッツィと言ったっけ、あのカメラマンわざわざ途中交代で出てきたので何かしでかしてくれるかと期待していたけど、結局ストーリーにはほとんど絡んでこなかった。ただ「ドイツ人風英語」と言うのか「英語で喋ってるけどストーリー上はドイツ語で会話してることになってる英語」の喋り方が実に上手くて、ほんとドイツ語みたいに聞こえる英語だった。今後そういう役割を与えられた俳優さんのお手本になるだろう、と思えた。

とにかく生きているヴァンパイア、ウィレム・デフォーの鬼気迫る狂気が凄くて、ジョン・マルコビッチも狂気を演じさせたらかなり凄いんだけど、今回は中盤脇に徹していたせいもあってか、デフォーが完全にマルコビッチを圧倒していた。撮影が終わったあとメイクを落として「じゃ、お疲れさ〜ん」と家族のもとへ帰っていったとはとても信じられない。彼こそずっとあのスタイルで現場に泊まり続けたのではなかろうか。

私的にはデフォーに軍配。

あと付け加えるなら、サイレント時代の映画製作の、手作り・ワクワク感みたいのが伝わってきたよね。

75/100(02/03/08記)

(評価:★3)

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