[コメント] メメント(2000/米)
タイトルバック、もの悲しい音楽に載せられ、フィルムが巻き戻されていく。鮮明だった色が白に回帰していく。
現実を巻き戻すことは出来ないのに、どうしてフィルムは巻き戻せてしまうのだろう?それは、回帰したように見えて、褪せたようにも見えた。あたかも長い年月を一瞬で経たかのように。
フィルムは時間を超える。フィルムは時間を歪める。現実を置き去りにして。
フィルムは孤独だ。
絶望的な空虚から逃れようと、地獄巡りのような輪廻に自らを隔離した主人公は、永遠の動機を得た。だが、その永遠こそが真の空虚だった。彼の孤独はフィルムのそれに似ている。
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