ベストセラー小説を映画化。よくある事である。

原作を読み、映画も観ると、どうしても比較してしまうものである。比較するというのはある意味粗探しをするようだが、それだけ自分の判断能力が増すという事でお許しを。

小説を映画化すると、どうしても大切な部分が端折られてしまう。これは仕方がない事かもしれない。

しかし、この作品中。

高倉健が人を殺す場面。何か興奮のままに殺してしまうように見える。けれど、原作には納得できるように書いてある。やむを得ず殺してしまう描写がキチンと描かれている。

監督や演出家には、全部頭に入っているのだろう。自分達だけが判っていても、観客には通じていない。それが怖いところ。

原作ではちゃんと書いてあることが、映画の画面に出ていない。演出家の押しが足りないから、話が違ってくる。

決して「小説を映画化」が悪いとは言っていない。が、この作品には原作に欠ける部分が随所にあった。