[コメント] 緋牡丹博徒 花札勝負(1969/日)
「粋」とは何か?こいつ等の一言々々が「にっぽん」を体現している。僕らのDNAにすり込まれた未だ見ぬ「にっぽん」。
シリーズの持つ安定感が遺憾なく発揮される。前2作の愛すべき登場人物たちがひょっこりと顔をだす。それだけでファンは魅了される。使い過ぎるとシリーズの停滞感にも為りかねない危険な諸刃の剣だが、3作目では未だ上手に機能しているようだ。
ただ、 清川虹子や待田京介がひとたび登場すると、「場」がすっかり彼等に持っていかれてしまうのが怖い。それほど彼等のキャラクターが「愛すべき者たち」であるに他ならない。
であるならば、高倉健の使い廻しが残念でならない。同じ東映の『仁義なき戦い』シリーズでもみられた事だが、同じ役者が同一シリーズ内で違う役で復活するという邦画界の悪癖がここでも存在する。
これほど見事な脚本の作品だ、高倉健の役ぐらい前作からの継続性を持たせられなかったのかが残念だ。でなければ鶴田浩二や菅原文太を使って欲しかった。邦画界はそれほど人材が枯渇している訳ではない。
しかしながら、数々のエピソードを盛り込んだ本作はまさに娯楽映画のお手本のような(見本市のような)存在感がある。そうは言いながらも☆5を点けられないのは皆さんもご指摘の通り、主演女優に主題歌まで歌わせてしまった愚行による。日本の歌謡界もそれほど人材が枯渇している訳ではないと思うのだが・・・これも邦画界の悪癖なのか。
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