[コメント] から騒ぎ(1993/米)
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キアヌの罠、全然スキだらけ。普通、恋人が結婚前夜に知らない男とヤッてる現場を見たら、いくら周囲がなだめようが絶対押し入るでしょ。終わった後ならまだしも、今ヤッてる彼女を放っといてションボリ帰るかな(あるいは、女ならそうするかも知れないけど…)? もし行けば、すぐ彼女じゃないって気付いたのに。
ともあれ単純な罠に見事ハマった彼だけど、まだ顔を見たわけじゃないし、一度ぐらいは彼女に真相を問いただすぐらいしたらいいと思う。それを結婚式当日までわざと黙っていて、大衆の面前でいきなり罵倒するのは男らしくない。仮に本当に彼女が浮気をしてたとしても、男ならそういうウジウジしたやり方をするもんじゃない。後姿だけでハナから彼女が浮気したと信じて疑わないんだから、この2人に信頼関係はなく、こんな女々しい男と一緒になっても彼女もこの先いいことはないでしょう。
主役の2人が恋におちる展開は、あまりにも簡単に情報操作されていて、微笑ましいというよりはむしろ恐ろしい。たまたま良い方面で操作されたからいいものの、この口だけは達者な2人を良からぬ方向に情報操作したなら…と思うとゾッとする。なまじ男女を代表する村の知性派リーダーだから。総じて、この村人たちは自分自信の意見がなく、他からの情報を最優先しているという、一見のどかだけど恐ろしいほど無知な村だった。
ここまでは原作者のシェイクスピアへの文句。しかし題名が『から騒ぎ』なので、多少不愉快な騒ぎでも、これも作者のねらいということで仕方ないです。
ここからは演出。最初から最後まで赤面させられっぱなし。観たのは二度目だけど、歳をとった分だけより赤面。最後の群舞シーンは「わー、なんかやっぱ恥ずかしい〜、早く暗転して、早く」と願っているのに、やたら長い。やがてカメラは空からの俯瞰でその騒ぎをじっくり舐めるように見せるが、カットがかかるまで踊り続けるよう言われたエキストラ達の“やらされてる”感がまた妙に恥ずかしい(多分、学芸会を思い出すから)。二度目に観た今回「ブラナー夫妻以外のスタッフや役者たちは恥ずかしくなかったのだろうか?」と思った。
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