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[コメント] アルカトラズからの脱出(1979/米)

何年か振りに再見したが、何度見てもその楽しさは変わらない。イーストウッドが師と仰いだシーゲルの職人気質を感じる秀作。
ナム太郎

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







冒頭の風景などはイーストウッド作品なら絶対空撮から始まりそうなロケーションだが、そこをいきなりパンでとらえ、しかも次の収監シーンでは大粒の雨を降らすところから既にシーゲルらしさを感じて引き込まれてしまう。

とにかく脱獄を図ろうとする状況下でのサスペンス演出が堪らない。しかもその騙しのテクニックが張りぼての人形だったり絵で描いた通気口だったりというチープなものでであるが故に、いつバレてもおかしくない、もうバレるんじゃないかというスリルが画面に充満している。

また、脇役の使い方の巧さも印象に残る。ああいった閉塞的な場所に同居する者だからこその通じ合う思いが満ち溢れているところが素晴らしいと思った。そういった中で起こる絵や花のエピソードは、主題とはかけ離れたところにあっても心に響く。

最後のショットが本当にマヌケ面した人形であるところや、映画の話をしている時にイーストウッドの口から「どうせくだらん西部劇だろ」なんて台詞が発せられるなんてところも心をくすぐられる秀作だ。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)ジェリー[*]

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