コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] 耳に残るは君の歌声(2000/英=仏)

自分の根っこ(祖国)と言葉を失った少女のさすらい物語。生きるためには歌うことしかなかった
ボイス母

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







イギリスで、ウェールズ人の教師に歌を仕込まれるシーンが悲しい。 教師は彼女を生かすために、音楽と英語を仕込むのだが、それは彼女にとって、心の根っこ(母国語)を捨て去ることと同時に、(西側社会で)生きる技術を与えるというアンビバレンツな行為となる。

そのふるさと(ロシアのユダヤ人村)と新天地の間で引き裂かれた彼女は、唯一、「歌」と優しい父親の面影をのみ、生きる糧とする。

その放浪の果てにあるもの。 愛し合っていても時代によって引き裂かれる恋。

20世紀のさまざまな悲劇を縦糸に、ヒロインの人生が疾走してゆく。 彼女は自分探しを終えた後、どうやって生きて行ったのだろう?ハリウッドでスターになった?それとも、ジプシーの楽団と共に、故郷を訪ねて旅立てただろうか?

(評価:★4)

投票

このコメントを気に入った人達 (1 人)makoto7774[*]

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。