[コメント] ベンゴ(2000/仏=スペイン)
トニー・ガトリフが作るロマ映画の良さの1つは、ババアのカッコ良さである。
『ラッチョ・ドローム』に然り、トニー・ガトリフの映画ではやたら素敵なババアが出てくる。どんなにきれいなフラメンコねえちゃん並べても、後ろから「どけ」と言わんばかりに、それを蹴散らして現れるババアの力の前には、到底及ばない。野郎共を従えながら、老いるごとに力を増して行く女のエネルギーと、それを表現できるフラメンコの踊りと歌に驚かされる。
この映画に出てくる巨大な老女が新国立劇場で歌った時、マイクスタンドをぶち倒しながら歌っていた。その夜、ニュース23の生放送で歌った時、筑紫テツヤの進行をまったく無視して、ひたすら歌い続けていた。このスペインの至宝にとっては、いざ歌いだしてしまえば、マイクだろうが番組進行だろうが、そんなことはどうでも良いのだ。
大ババが幸せであれば家族は安定するのだろうか?女系家族の強さとはそういうものなのだろうか。そう言えば「女が元気な村は良い村である」とアシタカ(『もののけ姫』)の言葉。たまに思い出される言葉だ。ママに頭が上がらないエンゾくらいが調度良いのかもしれん。
ところでババア、ババアと書いているが、とっても偉い人らしい。すいません。
そんなことを考えながらも、さして自分から遠くない近所のセミ・ババア達がフラメンコにハマるのを見ると、妙な汗が吹き出てしまう。
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