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[コメント] カンダハール(2001/イラン=仏)

囚われるのが良い事なのか悪い事なのか。考えさせられる。
TAKAどぅ〜

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







ストーリーはともかくとして、映像に感銘を受けた。 とりわけ最初の20分ほどは、中東文化の誇るべき民族衣装に焦点が当てられる。 ヘジャーブ、アフガンではブルカだが、これらの色彩に富んだ、個性溢れる衣装には息を呑まざるを得なかった。 また写真をとるシーンや神学校のシーンなどは、到底我々には近寄りがたい文化の壁を感じずにはいられない。

ストーリーは平坦。 起伏のないストーリーは逆に映画をゆっくり味わえるという点ではマル。 その中でイラン、アフガンの実情を見ることが出来る。 それは例えば医療についてであったり、盗賊について、教育について、民族について、個々の心境についてと、様々だ。

私が最も気になった点は、最初から最後まで出ていた“囚われる”についての概念。 “囚われる”というのはつまり、文化や国についての囚われになる。 ブルカという顔を隠す衣装にも囚われるという概念はついている。 更に最も顕著なのは「妹に囚われる」ことだ。 主人公はカナダで暮らし、全ての“囚われ”から解放されたが、ここで再び囚われることになる。 しかしその“囚われ”は結局のところ、良い事なのか悪い事なのかは分からない。 ただただ囚われているのだ。

結論として私は“囚われ”について好意的である。 しかしそれはタリバンの文化である女性の教育排除にも繋がる。 先進国としての人間から言えば、この囚われは古い、排除すべきものだろう。 それを踏まえた上で、私はとても良いものとは言えないが、悪くはないとも思う。

(評価:★4)

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