２人の男がボクシングの試合のためにベガスまで行く話。前半は試合会場のあるベガスへ行くまでの車の旅が中心で展開としては少し地味な感じだがバンデラスとウディのコントでも見てるかのようにストーリーは結構面白い。特にロリータが演じたグレースは前半２人の仲裁役という風に役柄がはっきりしていてストーリーも理解しやすい。ビンスとシーザーがなぜ落ちぶれたボクサーになったのかという理由も結構はっきりしているのでストーリーにはすぐにはいれる。前半はルーシー・リューが出てくるまであまり強い印象がないせいか地味だがルーシーが出てからはルーシーのインパクトの強さでかなり強い印象が出て普段映画では退屈になりやすい中間から盛り上がってくる。ストーリー中で一番大事な後半のボクシングシーンまでのつなげ方が妙にじれったいのは気になるが後半の三十分のボクシングシーンは正直『ロッキー』シリーズよりも素晴らしく後半三十分は２人のボクシングシーンだけでストーリーを見事に引っ張っている。キャラもウディが演じたビンスはかなりインパクトがあって後半のボクシングシーンではかなりカッコよかった。アントニオは普段より少し地味目な役柄のせいか印象がウディより弱いのが気になる。ロリータとルーシーはそれぞれで印象が強くてかなりストーリーに溶け込んでいて良かった。意外なところではロバート・ワグナーとトム・サイズモアがかなり悪賢くてセコく金に汚いキャラを演じていて特にワグナーはかなり印象に残る。後半のボクシングシーンでのカメオ出演のスター達を発見するのも結構楽しくて良い。悪かったところではあれだけの不正を働いているジョーとハンクにシーザーとビンスがなんの抗議もしないのは劇中の２人のわがままな性格からするとおかしいし、後半のボクシングシーンで前半で行く途中に分かれたはずのリアを出すのもあまり意味がない気もする。後半はあれだけすごかったのにオチが単純ですぐわかってしまうものにしたのはガッカリ、あれだけすさましくて見どころがあった後半なのに終盤でまた地味で変に余計な演出も入ってたのはかなり映画を悪くしてしまっている。結果としては前半は地味だけでもまだ見れるし中間から盛り上がって後半のボクシングシーンのなるともう最高に目が離せなくなるが終わり方の出来の悪さが多少気になる。登場人物はとても印象に残っていて特にウディとロリータとルーシーが良かった。それにしてもウディは映画によってかなり印象が変わる俳優だとつくづく感じてしまった。