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[コメント] ロード・オブ・ザ・リング(2001/米=ニュージーランド)

劇場版の感想
Bunge

私はカルト宗教団体の信者たちと会話をしたことがある。気味が悪かった。一体何者なのだ。なぜこうも馴れ馴れしく私に語りかけるのだ。到底趣味が合いそうにも無いこいつらを結びつけている不可解な絆の正体は何なのだろう、と。ロードオブザリングを鑑賞したことでその時の体験が蘇った。

例えばドワーフ。猪突猛進な性格であることはわかったが、お前は何者なのだ。恰幅の良い嫁さんやわんぱくな子供でもいそうなものだが、そういった事が語られることはない。

例えばエルフ。クールでミステリアスな性格をしていることはわかったが、何者なのだろうか。病死した母や、親友の裏切りによって殺された誠実なる父を持ち、気丈さと優しさを兼ね備えた美人の姉と手紙を通じて心配し合っていそうな雰囲気をしているが、それも描かれない。

これらの人物が死んでも何とも思わないので、アクションシーンに突入したところではらはらしないのだ。

世界観には黒いもの(暗い、ではない)が感じられるが、絵作りは明るめだ。残酷描写を過剰に排除しているように見え、そのあたり違和感を感じた。

仕込みの章として3時間もの尺を割きながら、少々仕込み足らないのではないかと思う。

奇形の見世物小屋の前口上めいた語り口で登場する、惨たらしい拷問によって生まれたオークはバックボーンが鮮烈なので期待したい。そしてもちろんフロドとサムの関係は良い。

そして何といっても指輪の力。目の色を変える人々から私が想起したものは金だ。この生々しいアイテムがもたらす魅力は大きい。これ一つで続編を見る気にさせるものがある。

〜はしがき〜 2011年にもなって劇場版のコメントを書くというのは少々馬鹿馬鹿しい。しかし公開当時は高く評価されたのだから、こちらを見て語っても良いだろうと判断した。

(評価:★2)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)けにろん[*]

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