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[コメント] 地球へ…(1980/日)

美形キャラが繰り広げるアニメ史上初の選民思想映画。迫害される側の主観に基づいた描写が多いが、苦悶する人類側も完全悪として描写していない点に意味がある。ブルーに憧れて「補聴器代わりにヘッドフォン・マント代わりにカーテン」をやった人は、今すぐ5点付けるべきだよ。
IN4MATION

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







ガンダムに代表されるニュータイプや単なるエスパーと異なり、身体の欠損や五感のハンディを補う為に先天的に発達した知覚を持つミュー。

目覚めの日に行われる異常(悪劣)遺伝子の排除という形をとる選民思想。

人工受精によって生まれてくる試験管ベイビー。

子供を選んで15歳まで養育する里親。奪われる記憶。

グランドマザーには、パーフェクトにコントロールされた人類と自然分娩による不確定要素の強い子孫繁栄のどちらが優れているのか、に対する答えが用意されていなかったのだろう。

だからこそ、グランドマザーは、敢えて人工授精プログラムにミューを発生させる余地を残し、どちらが優れているか雌雄決するときを静かに見守ることしかできなかった。

両者が融和の道を選んだことでグランドマザーは役目を終えた。

そういうストーリーだったと記憶している。

かつてこれほど破綻のない世界観を持つアニメがあっただろうか。

勧善懲悪でないアニメはガンダムが最初と言われているが、確かこっちのほうが劇場公開は早かったはず。

艦船や艦載機の形状も既成概念に捕われることなく有機的なシルエットを持つ。

もう一度見直す価値は大いにある。

俳優を声優に起用した点、賛否はあるが、ジブリ映画のお父さん役の声よりよっぽどマシだ。

いや、舌足らずで噛み噛みな秋吉久美子だけはミスキャストかもしれない。

マツカ役の薬師丸ひろ子のお陰でマツカが男の子なのか女の子なのかは今もって不明なのだが。

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最近になって思い出したことがある。

確かこの頃、映画の音声のみをLPレコード3枚組くらいで発売するのが流行っていたということ。

この映画のLPもブルーとキースとジョミーのバストアップがジャケットになっていて、購入した記憶がある。

どうりで、台詞のいちいち細かいところまで覚えているはずだ。一種の睡眠学習的な?効果があったのかもしれない。

例えば、 「そのイヤリング、血か? ロマンチストだな」

「信管、アレだな」

「根無し草になるな、ジョミー」

誰が言った台詞かしっかり覚えてるなら頼む。

君も5点つけてくれないか?

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)死ぬまでシネマ[*]

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