文字通り、「人を怖がらせること」を「仕事」にしちゃってる発想が面白い。しかし、最終的に「人を笑わせること」を仕事にすることになるのだが、それではもはや「モンスター」とは呼べないと思う。笑いのエネルギーが悲鳴のエネルギーの10倍ある、ってのもよく意味が分からない。統計データに基づいて言うと、ってな訳にはいかないが、経験的に言って、悲鳴のエネルギーだって相当なもんだ。悲鳴より笑いの方が上、って価値観は、子供向けとして分からなくはないが、間違っていると思う。一つ確実に言えるのは、笑わせるより驚かすことの方が、はるかに容易だってこと。ピクサー社自身、子供相手の商売してるので、「驚かし」を禁じ手にすることは、自分の手足を縛ることになってしまう。それでもやるって言うのなら、たいした矜持だなと思うけど、この映画を観る限り、ほかに小ずるい手口をいくらでも使ってんじゃん。それを悪いとは言わないが、「驚かし」だけ禁じ手にするのは、ストイックとは違うよな。なんなのかね？優等生ぶってるのか？　次作以降の推移を見守ることにするけど、あっさり「驚かし」を復活させるような気もするな。

まあ、これはあくまで映画で描かれるモンスター界であって、実際の？モンスター界のモンスターたちは、こんなピクサー社の仕事とは関係なしに、今日も人を怖がらせることに精を出していると思うけど・・・。

75／100（02/09/23記）