[コメント] ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ(2001/米)
もっと怒れ、ヘドウィグ、もっと立ちはだかってくれ、ミッチェル。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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といっても、セクシュアリティの前に立ちはだかるという意味はピンとこなかった。意味が曖昧な方向に向かいつつある境界を再構築する意識の意味は?
彼(女)が歌うのは怒りというよりは、始めから悲壮感が漂っている点ではどちらかというとド演歌にも近いニュアンス。内省的で個人的な内容を外見だけパンクのように噴出させるやり方は、どうにも居心地の悪さを感じる。怒りを歌うなら(もしパンクなら)もっと社会性を帯びるものだが、ヘドウィグの歌に社会性は希薄で、ベルリンの壁という背景も宙に浮いてしまう印象。
確かにあらゆるロックのエッセンスを織り込んで(カントリーっぽいのも入っていた、彼(女)が影響を受けたとおぼしき70年代前半の匂い?)エンターテイメントに昇華する姿は見事だったが、ボウイやルー・リードなどの影響と言われるとどうにも貧弱に映ってしまう。
希薄とか貧弱という印象を塗りつぶすほどの怒りのパワーを浴びたかったが、自分は自分といった着地点ではあまり評価はできない。(★2.5)
*東京地区限定の話だが、どうもシネマライズで公開の音楽がらみの作品とは肌が合わない。『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』しかり『ベルベット・ゴールドマイン』しかり。
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