[コメント] ピアニスト(2001/仏=オーストリア)
音楽のないエンドロール。音楽が存在しない分、頭の中を色々な想いがかけめぐり混乱させられる。言葉が出ない。打ちひしがれた。そして、恋愛経験の乏しい俺は「人を愛する」ことに恐怖すら感じてしまった。
この映画は答えを提示しない。エリカにも、ワルターにも決して感情移入をさせない。例え感情移入をしてしまう部分があったとしても、それは本当の性格が見えてくる前のほんの数分のことである。冷酷で仮面をかぶって生活することしかできないエリカ。どこか鼻につくような雰囲気を持ったワルター。エリカの自傷行為のシーンなど、目を背けたくなるようなシーンもある。だが、美しく、淡々と流れる不思議な雰囲気が画面から目を離させてはくれない。真正面から人を愛したことがない、愛を伝えられない哀しい女を描いたこの映画にただひたすら時間を忘れた。
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