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[コメント] ピアニスト(2001/仏=オーストリア)

中村うさぎ症候群
ボイス母

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







支配的な母を苦しめたい。母から解放されたい。母を犯したい。母に庇護されている私を暴力で無茶苦茶にして。「売女!」と罵って。顔に座って。

性欲を持て余して、人を愛する事も知らず、母親に中年になった今でも支配されて、何一つ自由の無い世界を壊してくれるのは、年下の「カ・レ・♪」? しかし、あまりにも彼女の脳内で長い時間をかけて熟成され、腐食が始まった性欲の世界は、もう彼女自身をもドコにも連れ出してはくれない。

自分の肉体の牢獄に繋がれたまま、恋の陶酔に浸る事も自分に許せずに、ただ、自分も相手も傷つけて、なにもかもをゼロに巻き戻してしまう。その負のエネルギー。

「母子ベッタリってやっぱりここでも大問題」とシミジミ思う。 自分の胸に突き立てたナイフはろっ骨に阻まれて、心臓になんか届かない。 さて、彼女はこの後、どこへ行くんだろうか? 老嬢のデリヘル嬢となって、ウィーンの夜をさ迷うのか。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (3 人)TM(H19.1加入)[*] きわ[*] TOMIMORI[*]

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