[コメント] ビューティフル・マインド(2001/米)
ナッシュ均衡というのは簡単に言うと、
「自分以外の人が行動を変えない限り自分も行動を変えない方が良いという状況が、すべての人に当てはまる時」
のことで、この状況ではすべての人が行動を変えず、均衡してしまうということ。その状況が社会的にあまりよくなかったとしても、みんなが自己中だったらその状況を打破することはできないのです。
なんか自分で書いてて良く分からなくなってきた……。 ので、一番分かりやすくて有名な「囚人のジレンマ」で説明します。
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あるAさんとBさんは、2人で罪を犯してしまいました。警察は状況証拠から犯人はこの2人であるだろうと判断して逮捕はしたものの、決定的証拠に欠け、このままでは2人とも懲役1年程度で済んでしまいそうです。そこで警察は2人を隔離し、それぞれに司法取引を持ちかけました。
「このまま行けば2人とも懲役1年程度で済むだろう。しかし、もし自白してくれたら相手は懲役15年ぐらいにはなるものの、君を無罪にしてあげよう。ただ、もしも2人とも自白してしまったら、2人とも無罪というわけにはいかないので、懲役10年ずつぐらいになるかな。」
これを聞いたAさんは考えました。
「どっちにすればオレの懲役は少なくなるんだろうか……。えーと、もしBが自白しなかった場合は、オレも自白しなければ懲役1年で自白すれば無罪か……。てことはBが自白しなければ、オレは自白しちゃった方が得なんだな。んじゃもしBが自白した場合は……、オレが自白しなければ懲役15年で自白すれば懲役10年。てことはBが自白したら、オレも自白した方が得なんだ。ん?てことはどっちにしても自白した方がいいってことだ!よし、自白しよう!」
同時にBさんも同じことを考えていました。 こうして2人はともに自白し、仲良く懲役10年ずつになったとさ。
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と、これが囚人のジレンマです。 本当は2人にとって、「2人とも懲役1年」が一番良い選択のはずなのに、自分の利益だけを求めた結果、最悪の結末(警察にとっては最高だが)である「2人とも懲役10年」というナッシュ均衡に落ち着いてしまったのです。
上記の「囚人のジレンマ」のように1つの答えに落ち着くものもあれば、最初の状況次第で複数の均衡点があるものも存在します。そして、こうしたモデルは他にも多く存在し、現実にもよく起こる話ばかりです(牛丼屋の値下げ競争とか、福祉の問題とか)。それら多くの現象に応用できる「ナッシュ均衡」、現在経済学を学んでいる私にとって、この考え方は本当に当たり前になっていますが、それが無かった頃にこの理論を生み出したナッシュは天才であり、この理論こそが経済学を根底から覆した理論と言えるでしょう。
(最後に、このお話が本当に合っているかどうかの保証はしませんのでご了承を)
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