[コメント] 博奕打ち 総長賭博(1968/日)
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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金子信雄という俳優は、日活アクションの一連の作品で悪玉のボスとして活躍し、後に東映で『仁義なき戦い』で狡猾に立ち回るヒール・山守組長を演じることになる。
本作でも、彼の演じる仙波という役どころは山守組長とよく似ている。下にいる者が彼のために次々と無駄に命を落とす様は、まさに『仁義なき戦い』五部作を彷佛とさせると言えよう。
本作は彼が東映と契約して2年目の作品で、『仁義なき戦い』までにはまだ5年ある。逆に言えば、『仁義なき戦い』の5年前までは、遅くとも最後の最後になれば、彼が正義(かどうか分からないが)の刃を受けて倒れるという「カタルシス」を味わう余地が、観客である我々に残されていたわけだ(日活時代の彼もまた同じく、悪役である彼は最後にはヒーローに倒されるという筋書きがお約束であった)。
しかし、5年という月日は、仙波を山守に変えるに十分な歳月であった。そして、金子が去った後の日活アクションが凋落していくのと時を同じくするように、仁侠道は鶴田浩二のドス一刺しを最後に消え去り、東映は実録路線へと転換する。
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