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[コメント] パコダテ人(2001/日)

「30年前の少女まんが」のような映画。自分もかつて使った罵言であるが、よもや「いい意味で」使う時が来るとは夢にも思わなかった。この作品は日本映画どころか、可愛いホラを忘れた現代少女まんがとも無縁の良さを持つ。
水那岐

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







ラブコメのアイデアは決してそれだけで作品の背骨たる必要はない。ヒロインに共感させ、その恋を成就させるために振りかけられるスパイスの役目を果たせればそれでよい。

宮崎あおいは笑い、泣き、怒り、すましてファッションショーまで演じたが、その裏には決して新鮮なオリジナリティに溢れているとは言えない「シッポ」があった。だが、それは何とキュートに演出されていたことだろう!ラストでハートマークを描く宮崎と恋人(彼はいまどきには珍しいオクテだ)のシッポのシーンだけでも、シッポたちがリアルに動いていなかったことなど何のマイナス要因にもなっていないことが理解されるだろう。古風なウェルメイド・ムービーとしては充分過ぎるほどの快作である。

まあ、小賢しい理屈をこれ以上並べる必要もない。この甘酸っぱさを日本映画が、少女まんがが振り返ってくれることを切に願う。

(評価:★5)

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