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[コメント] トンネル(2001/独)

背伸びすれば覗けてしまう、手が届きそうなほどの距離なのに、現実に越えるにはこの上ない辛苦を伴う高い高い障壁。愚かな人間が作り出した、この奇妙な構図をまざまざと見せつけられ、シビれてしまった。
緑雨

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







ベルリンの壁を所与のものとして育った世代である自分にとって、壁ができる以前、そして構築される過程が疑似体験でき、興味深く味わうことができた。

そして、東側に残されたフリッツィの恋人が壁を越えようとして撃たれるシーン。ハリーが壁の上から手を伸ばし助けようとする。容易く越えられる壁一枚なのに、現実には大きな障害となっていることを痛切に突きつけられる。

そういう味付けがあった上で、トンネルにより脱出させるという話の基本構造自体がもつ面白さ。クライマックスの脱出劇の興奮とカタルシス。個別のエピソードを見ていくと、確かにご都合主義や説明不足が目に付き粗削りな面は否めないが、力のある映画だと思う。

ちなみに実話を基にしてるとは知らずに観ました。

(評価:★5)

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