[コメント] 活きる(1994/香港=中国)
私怨をはらさずとも、公がその代行を頼まないのにしてくれる国家。その代わり、最も高価な代償を取り立ててゆく国家。それは、腐敗しないように劇薬をたっぷりと塗りつけられた美しいリンゴだったのか。
文化大革命の狂態について、自分はまだまだ無知であることを恥じさせられる。主義について純粋すぎる国家はつねに歪みを生じ、その歪みにおのれを合わせてゆくことでのみ個人は生き続けられたのだろうか。
マオイズムの正義を信じていた教師に歴史を教えられた自分にとって、その暴走のなかを生きてきた人々が少しずつそれを内部告発してくれるようになったのは有難いことである。画面は一部を除いて穏やかだったが、そのなかでの苦難は静かながら自分の胸に響いてくる。
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