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[コメント] I am Sam アイ・アム・サム(2001/米)

この映画の主人公はあの女弁護士だ、と思ってます
不眠狂四郎

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







丁寧に撮られた良質な映画です。

 知的障害者を扱った映画でその障害者自身を攻めるシチュエーションは『エンジェルベイビー』以来。更にその障害者が自身の子供と向き合う様を描いたものは少なくとも僕ははじめて観た。という点でこの映画は何かの亜流ではない、しっかり新境地を描こうとした立派な作品である。キャスティング、芝居はほぼ完璧に近いと思われる。娘役の女の子(ダコタ・ファニング) はうますぎて、本来リアリティーがないと言いたいところだが、とんでもない存在感と愛くるしさで許されてしまいます。欲を言うならもうちょっとセリフ少な目でよかったのに・・・。

 障害者を扱う映画は必ずそれを揶揄し非人道的だとか、エセヒューマニズムだとか、気を悪くされる方々がおられるようだが、僕はそんなことどーでもいいです。というかそんなところで戦うつもりはまったくない。この映画の最大テーマは障害者の親子の愛絆の話自体ではなく、それに触れたあの女弁護士の自省にあると思ってるからです。泣けるのは彼女がサムに向かって自らの自省の念を洗いざらいぶちまけるところです。これがこの映画の最大の見せ所であると思ってます。だから実はこの映画の主人公はあの女弁護士だとさえ思ってます。

(評価:★5)

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