[コメント] タイムマシン(2002/米)
私を未来に連れてって!
タイム・マシンの実物なんて生まれてこの方見たことないのに、見た瞬間、「おおっ!タイム・マシンだっ!」と思った。プラトン的二元論に従えば、天上界で見てきたタイム・マシンの原型に基づいて認識していることになる。してみると、いずれこの地上でもタイム・マシンが発明される定めなのかもしれない。それだけに、2030年の女性ジョガー(ちよっと好み)に「それ何?カプチーノ・マシーン?」と聞かれたときにはがっかりした。どう見たってこりゃタイム・マシンだろがっっっ!・・・この冗談には落ちがないのでこの辺で止めておくが、正統派のイメージがきちんと固定されていればこそ、われわれは亜流を生み出し、それを楽しむことができる。デロリアンや机の引出しには、既存の概念を解体し新しい意義を付加する意外性はあるにしても、新しい価値そのものを構築する独創性はない。その意味で、サイモン・ウェルズはひい爺さんが生み出した名作の、映像的イメージの定着に一役買ったと言える。
が、"自分が!自分が!"、これ現代人の性。それでも導入部はとろけるように甘くて結構お気に入りなんだが、その後は、皆さんご指摘の通り、導入部の設定を生かすわけでもなく、なぞる所はなぞりつつ、変える所は勝手に変える。ある意味ハリウッド的予定調和の構図に収束したとは言えるが、まさかそうなるとは予想しえなかっただけに、観ていて正直疲れた。旋律に連続性のないメロディを聞かされているが如し。物語なんて単純でもパワーが乗った方がいいのにね。俺だったら二人乗りに設計するけどな・・・。
75/100(03/01/18記)
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