[コメント] タイムマシン(2002/米)
美味しい題材をして次の瞬間には(映画上の)過去の問題はすでになかったかのような飛び方。にも関わらず、原作から遠く離れられないのは監督自身の「曽祖父という過去の偉業の呪縛」。肉親だからこそのぶっちぎりが観たかったのになあ。
世間をあっと言わせた、ウェルズが作品化した時間旅行。当時の驚きやワクワク感は大変なものだったであろうことは想像して余りある。しかし、現代では既に使い古されたネタであり、理系の観客はおろか、文系体育会系の観客でさえタイム・パラドックスを含め格好の餌食になってしまった感がある。このネタを出す限りは大胆な見解や突き詰めた論理展開が必須になってしまった。
では能書き垂れなければこのネタは扱えないのかといえば、そうでもない。観客にとってはこだわりこそ命ではあるものの、それを凌駕する物語展開や感情の揺さぶりさえあれば、理屈なんてどっかいっちゃうものよ。まずかったのは、そのどちらもクリアしておらず、ただただ作品が現代風リメイクに終始してしまったってぇこと。
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