人間には表と裏の顔があるというが、二人ともステレオタイプではない生身の人間を演じきっていて見事だ。

汚れた中年たちとコントラストを作っていたのがスワンク演じる良心の塊のような刑事。彼女だけは堅物に徹するかと思いきや、最後に証拠の薬莢を捨てようとする。

三者三様の揺らぎの中に、しっかりした人間ドラマがあった。

ただ、冒頭の「繊維に血液」カットや、派手な銃撃戦などは「猟奇ミステリー」として興行収益を狙ったいやらしさを感じないでもない。

これだけの仕事をしている俳優陣にたいして、ちょっと失礼で余計な味付けだよね。