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[コメント] ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔(2002/米=ニュージーランド)

2大勢力の善悪二元論的闘いがスケールアップするにつれ、フロドの自分自身との闘いでの葛藤とかけ離れてきて、もどかしくなってくる。
ざいあす

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







ダイジェストみたいだった前作だが、今回はキャラが肉付けされ戦闘もスケールアップ。活き活きしたキャラたちの中で一人消耗し葛藤するフロドが印象的。二重人格なゴラムもいい。

かなりドラマも厚くなったけど、兄の死を抱えたファラミアがついにフロドを放免するところは、わかるけどまだ唐突。さらにていねいに描いて欲しかったところ。

過酷な状況の中で信義を貫く熱い想いに涙ウルウルものだったが、 善と悪の2元論的闘いはドラゴンボールなみにインフレスパイラル。 白と黒という色わけの中で悪はまさに「必要悪」として、二律背反と統合を繰り返す人間の心の必須要項になっちゃってるのに、悪の側はひたすら単純に「悪い奴」で深みがない。

そのせいか、大群衆での戦闘シーンはなんだか虚しかった。 物語の半分を占める大事な要素なはずなのに、空っぽな自分自身のダークサイドと闘っているように思えたのだ。

フロドの葛藤しながらの自分自身との闘いは、2大勢力の闘いを集約したもののようにも思われるのだが、そのあたりがきれいに繋がってこないのがちょっともどかしかった。

しかし、世間では3部作完結してんのに依然としてこっちは周回遅れ。まだお腹いっぱいでさらに追い上げる気力が出てきません。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)けにろん[*]

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