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[コメント] ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔(2002/米=ニュージーランド)

なんと書けば良いのだろうか・・・・ 2003年4月27日劇場鑑賞
ねこすけ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







「小便行きたかった」。これが、率直な感想。

俺は今まで、上映中に小便に行きたくなっても我慢していた。する事が出来た。しかし、今作は本当に危なかった。もう、我慢の限界だった。上映が終わり、即効トイレに駆け込み、いつもよりも二倍くらい長い間、便器の前に立っていたのは言うまでも無い。

前作はその長さも感じられないほどのスケールと感動、映像美と壮絶な戦争シーン、何もかもが絶妙のテイストで混ざりこんだ大傑作だった。しかし、今回はリブ・タイラーの微妙な顔に始まり、所々に出てくるラブストーリーで微妙にテンポを緩めつつも、前作を超えるスケールを展開していた。

確かにスケールはでかくなり、クライマックスの戦闘シーンの素晴らしさは半端じゃない。だが、なぜだろう。クライマックスに行き着くまでが前作よりも長く感じ、正直だるかった。完全に中だるみしてしまっていた感じがする。お陰で、クライマックスが来る前に集中力は切れ、小便に行きたくなるのを我慢しながらのクライマックスだったので、その素晴らしい戦闘シーンにも完全に集中できない始末。恐らく、恋愛部分がテンポを落とていた、と言う一箇所の問題ではなく、完全にテンポが悪かったのではないのかと思う。

確かに素晴らしい映画だと思う。ただ、前作が良すぎた。否、違うな。前作は問題ではない。この作品は前作に劣らぬ傑作と言っても良いと思う。ラストのサムの台詞で涙し、クライマックスの絶望的な戦いに熱くなった。小便を我慢しながら・・・。

登場人物は増え、人物関係は複雑になる。フロドに降りかかる指輪の魔力と、それを助けるサム。とてつもない自然美を利用した映像美。激しい戦闘シーンの中の絶望的な感情を抑えて戦う民。何もかもが素晴らしい。ただ、テンポが悪いと言うか、戦闘シーンが最後に固まりすぎと言うか・・・。戦闘までの序章が長すぎたと言った感じがする。もう少し、細かい戦闘を散りばめてくれればテンポを保てたのではないだろうか?

前作を見て「早く次が見たい」と思い、待たされ一年。どうやら俺には指輪の魔力は、かかっていなかったらしい。見る前にある程度の期待はしていたが、やはり見終わった直後の興奮は冷めていたらしく、映画に入り切れなかったのかも知れない。そのせいでテンポが悪く見えたのか、そのせいで興奮し切れなかったのか。この二作目を見終わった後、別に「早く次が見たい」と言う感情は生まれなかった。本当は生まれるであろうが、完全に集中力が切れていた。

何もかも素晴らしい。クライマックスのヘルム峡谷の戦闘シーンなんて半端じゃなく素晴らしく、ラストのサムの言葉は涙が出た。ただ、テンポが全てを破壊している気がする。指輪の魔力もろとも。惜しい。

全然嫌いじゃない。むしろ好きだし、かなり面白い映画だった。だから、今とても複雑な心境。

決して悪い映画じゃない。多分悪く見えたのは俺のせいだ。だから、率直な感想は★3だが、製作サイドの熱意、そして’あの’監督がこれほどの映像美(個人的には『ブレインデッド』こそ真の美だと思うが(笑))、圧倒的スケールのストーリーと、壮絶な戦闘シーンを画き切っている事に敬意を表したい。が、どうも小便以外の理由の何かが俺の中でひっかかって★4をつける事を止めている。一体何かはわからないけど・・・・。

それから、欲を言うとヘルム峡谷の戦いはあれはあれで良いし、原作を読んでいないから先の話はわからないんだが、子供の頃、俺はアンパンマンがバイキンマンに負ける姿をいつも期待してみていた。同じ様に、俺はヘルム峡谷に逃げ込んだ彼らがどんどん絶望に追いやられていく姿を期待してしまった。

どこかで、負けてくれないかな・・・・大掛かりな戦いで・・・。

(評価:★3)

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