[コメント] es [エス](2001/独)
映画を見終った人むけのレビューです。
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バキュンバキュン! あんたたちいい加減に止めなさい! 枕投げかって。
この作品、構成上「これから何が起こるのか?」という、観察者の視点以外で鑑賞するのは難しい。となれば、特に主人公など置かず俯瞰で集団を撮るか(これだと誰がどう暴走するのか読めず怖いよ)、逆に主人公が実験の観察者となり、その視点と同化することで一緒に体験していく、というのかどっちかだろう。恋人とのドラマがあり、潜入ジャーナリストという設定とくれば、これはもう当然後者の道を選んだことになるのに、主人公が先頭きって騒ぎを起こすんで、そのたび、事態を観察しようとする観客は、彼の視点から離脱することになり、気を削ぐのである。こういう役割のやつを主人公にするなら、最初は正体を明かさずもっと第三者的にして、このうざい野郎なんなんだ?…そうかフリーライターか…とかってだんだんわかっていくほうが、ドラマにはひたりやすかったと思う。ありふれてるかも知れないけど。
そういったわけで、実験への観察のほうはノリ切れなかったが、暴発してから、被験者たちや主人公の彼女や教授たちが、大学構内をあっちこっちへ交錯していくところはちょっと良かった。なんでかって、このひとたち全員「ふつうの人」で、「はい!おしまい」っていえば、何もそんなことして走りまわる必要もないのに、もうそういう状況がとまらないっていうのが面白いんだと思う。看守役の中で最初リーダー格で一番冷静だった男と、主人公の彼女がすれ違うところ、「状況」を唯一外から見ている2人がすれ違うシーンが、他の連中の狂走をひきたててうまい。
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