[コメント] ドニー・ダーコ(2001/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
予告編で確か竹中直人か誰かだったかが「ドニー・ダーコとは孤独な少年の名前」と言っていた。実はこれ、れっきとしたネタバレね。見てない人にはわからないけど、見た人にはわかるネタばれ。
言うなれば許されるネタバレというのか。もしかしたら竹中直人は見ていない人に伏線をしかけたのか!?
と、どうでもいいことは置いといて。
ドニーの幻覚はダミー。と、いうかこの物語すべてがダミーだったわけだ。すべてがドニーの幻覚の世界であり、死ぬ前に見る走馬灯で過去でなく未来、それも悪夢を見たという話だったわけだ。
この映画の伏線は面白かった。ラスト結局一つのものに引っ張っていくわけだけど、そこまで至るまでに明かされる真実が繋がっていき、ラストの飛行機のシーンまでに至るまで俺にはさっぱりわからなかった。
面白い伏線とは観客に印象を与え、かつラストを予測する「材料」として活用させないものだと思う。見え見えの伏線だとこの手の映画ではクソの役にも立たない。
だから『ユージュアル・サスペクツ』は面白かったわけだ。
この映画、面白い。今日午前中に『マルコヴィッチの穴』をみて「面白い!」と思った。寝起きからこんな壮絶な面白い映画にであったから今日一日5点をつけるべき映画には出会えないと思っていたが・・・まさか一日二つに5点をつけるとは・・・
とりあえず自分なりの謎解明
●飛行機のエンジンの謎
お母さんがラストで乗っていた飛行機のエンジンが時空を越え落ちてきた。その時時空が歪み瞬間にあの体から飛び出す謎の液体が・・・。つまりドニーの部屋にラスト(冒頭)落ちてきたエンジンはドニーの幻覚の世界の未来から落ちてきたエンジンじゃないかな?
恐らく中盤で「愛」と「恐怖」に分けるってのをやってましたが、それは「現実」は「過去」と「未来」だけに分類できず、もう一つの「未来」も存在するっていうラストに繋がる軽い罠だったんじゃないかな?
●体から飛び出す謎の液体
空間のゆがみでしょうか?クライマックスでの、パーティーでドニーが追いかけた液体が恋人にぶつかる(液体の中から顔が現れるシーン)。これ、恐らくその後彼女が死ぬっていう前兆(『サイン』/笑)
恐らくこの液体は空間に穴(時空の穴)をあけていたんじゃないかな?
●銀色のうさぎの意味
恐らくラストでの婆の家の目の前で撃ち殺すフランク。つまりそれが強烈なインパクトとなって頭の中にあったんだと思う。「恋人を殺した奴」と「自分が初めて殺した人」として。こちらもとりあえず伏線と思う。
つまりこれはハロウィンの日に全てがわかる。だからドニーの幻覚にでてくるフランクは「うさぎの着ぐるみを着ていた」んだと思う。
●『死霊のはらわた』&地下のドア
恐らく『死霊のはらわた』の中に登場する地下室へのドアとかけてるんじゃないかな?(ギャグ?)
●ドニーは死んでいたのか?
ドニーはしょっぱなから死んでいた。しかし生きていた。幻覚の中では彼は生きていた。この物語中で彼は死んでいて生きていた。恐らくこれはもう一つの選択伎。「未来が見えるなら避ける事も選択」みたいに言ってなかったっけ?この関係じゃないかな?ドニーは死んでいて生きてもいた。これが本当のオチの意味だと思う。
俗に言うパラレルワールドじゃないかな?現実は複雑ってことっすね。
もしかしたらこの映画は人間の永遠の疑問「人は死んだらどこへ行くのか?」の答えじゃないかな?「人は死んだら別のシュチュエーションの中で生き返る」ってことだと思う
●冒頭の「Where is Donnie?(ドニーはどこいった?)」
ホワイトボードに書いてあった文字。まぁホワイトボードは確か3回くらい映ったと思うけど、大体が伏線になってたんだと思うけど、やっぱこれが一番強烈じゃないかな?冒頭に書いてあるこの文字。「ドニーはどこいった?」。ラストに繋がってるんだと思う。
けど、これだけじゃないんだろうな、謎は。頭の回転の悪い俺にはこれくらいしか解けなかった。。。
さて、青春物としてみて。
この映画にはふたつの楽しみ方があったわけだが、さすがに青春物としてみると「孤独」な『リリィ・シュシュのすべて』には及ばない。しかし『ドニー・ダーコ』にはエンターテイメントがあったし、かなり面白かったから少し甘めで5点にした。
心の闇。孤独から生じるね。あの講演会(児童ポルノ野郎の)でドニーが言う「ギャラはいくらですか?」みたいな発言から続く相手を小ばかにした発言。
あれって孤独な少年が何もかもにも反抗的な態度をとってなにもかもがきにくわない「青春」じゃないかな?
精神病もあるんだろうけど。
なんかレビューがまとまらない。一言で表すと「面白かった」。これだけ。
総合・・・5☆☆☆☆☆
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