[コメント] ボーン・アイデンティティ(2002/米)
確かに面白いが、虚像だ。確かな実像が見えない。アイデンティティが欠落していると思う。
ソダーバーグの『トラフィック』を彷彿とさせる不安定なカメラの動きを見せてみたり、『007』並にヨーロッパの町並みを見せてみたりと努力はしているが本質を突いていない。では本質とは何なのだろう。
ここでいうボーン・アイデンティティ、その個性の部分と記憶喪失からの脱却がこの映画のテーマなのだが、体得している戦闘兵器としての肉体があまりにも凄すぎて、やや辟易する。
ストーリーとしては確かに面白いだろう。記憶(個性)をめぐる旅だ。記憶とは自ずからの個性である。個性=自己実現、それはすなわち記憶から成り立つ。
マット・デイモンは素晴らしい。役者に徹している。オーシャンズ11では脇役だったし、スピリットでは声だけだったが、彼が久々にアクションに挑戦した映画だ。マトリックスの『キアヌ・リーブス』に挑戦するようなスタントなしのアクションは魅力的だ。
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