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[コメント] ゴースト・オブ・マーズ(2001/米)

50年遅れでやってきた人類の危機!!
torinoshield

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







昔の映画って火星から恐竜が来てたりしてたじゃないですか。あれって火星がどんなだか当時全然知られてないから それを利用したでたらめなんだよね。無知から来る楽しい妄想。

つまり映画も各時代の常識にある程度縛られるわけだ。もしキリストがいた時代に映画があったとすると 神が地上に光臨するのがさも当然の様な近未来映画が作られる。ヨーロッパの中世なんか大西洋の海の端(崖) からサタンが這い出してくる映画が作られる。

日本だってそう。今時かぐや姫の様な物語を本気で作れるか?不死の薬はないし月には人類はいない。 それは当時そんなのがあるかも、と言える環境があったわけです。

そういう意味では今、真剣に「火星はきっとこうだ!こんなのがいるんだ!」と監督が映像化し 「おお!そうかも、これは怖いぞ!」と観客がチョーびっくりする映画なんて作れないのだ。 でもそうした環境がたった数十年前、1950年ぐらいなら可能だったのだ。

つまりだな、カーペンター監督は自分が子供の時(50年代)に見たかった&恐怖のどん底に叩き込んで欲しかった 映画を作りたいんじゃないかと。当時の人達なら怖いぞ、ヘビメタの音楽も、格好も。70年代のKISSで びびったくらいだからな。それに火星に人類がいないかもしれないけど幽霊はいるんだよ、多分! これは米ソの宇宙開発競争の軋轢が将来生む人類の存亡をかけた戦いなのだ。 冷戦なんかしてられないぞ!とかさ。そういう気持ち(50年代の観客になる)でこれを 見ると衝撃ですよ。決してひねたマニアの為のSFホラーものじゃない。

という結論に達したのでこの映画を劇場で見る時には「ソ連は世界をいつか征服する、 太陽系に人類がいるとしたら環境が近い火星だ、核実験は巨大生物を生み出す」くらいの 常識を身にまとってから鑑賞すること。(前文変えた)

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)アルシュ[*] ペンクロフ[*]

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