カーペンター監督の他の映画は観たことがない。でもわたしがこの映画について考えるとき、カーペンターのマジ顔しか思い浮かべることができない。ヘラヘラニヤニヤ笑いながらふざけてこの映画を作っているところなんて想像もできない。だってこの映画は闘う意志についての映画だからだ。闘う意志についての映画にプランBなんて必要ない。闘う意志についての映画に華麗なアクションなんて必要ない。闘う意志についての映画に敵の攻略法なんて必要ない。必要なのは闘い続けること、それだけだ。ナターシャ・ヘンストリッジが火星人に乗り移られなかったのは、彼女に闘う意志があったからであって、それ以外に理由もへったくれもないのだ。つまりこの映画は必要なものだけがあって無駄なものがひとつもない完璧な映画なのだ。全くもって素晴らしい。