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[コメント] K−19(2002/米=英=独)

人間模様は並み以下。潜水艦という設定も十分生かしきれてない。実話だとすれば尚のことその緊迫感の描写に不満が残る。
スパルタのキツネ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







何故かは良くわからないけど、全体的に緊張感が無かった。一様、理由を二つ考えてみた。

まず1点、「訓練の多さ」。

リーアム・ニーソン演じる元艦長の冒頭の訓練。実戦と見せかけて訓練から始まる良くあるパターン。今思えば、観る側から、これが訓練だろうとあっさり見破れてしまう所に、本作の演出の限界を感じてしまう。

ハリソン・フォードの艦長に代わってからも、訓練の連続。相変わらず緊迫感を感じさせない。言葉は悪いけれど、内容の乏しい脚本を埋める為に訓練を多用したようにも取れる。 そこで実際のトラブル。しかも原子力事故、放射能漏れ。想定していた訓練の事故とは比較になるはずが無い。しかし、艦内の雰囲気、隊員の態度は相変わらず緊迫感を感じさせない。観る側も訓練慣れしてしまったという点もあるだろう。

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次に「計器の多用」。

300mの水深耐久テスト時、深度計を繰り返し何度も読んでいた。原子力のトラブル時も、その状況を伝える為に、原子炉の温度計、ガイガーカウンターを多用していた。客観的に数値で表現したいのは良くわかる。しかし、計器に頼りすぎていたと思う。こういったケースで、隊員の表情・態度・緊迫感の変化を描写することは、極めて重要な要素。どうも印象が薄かった。

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実話との事ですが、実際の状況はもっと切羽詰っていると思うし、「ふーん、そういう事もあったの・・・、」なんて捉えられかねない。実話だからこそ、人物を丁寧に描いてほしい。

(評価:★2)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)甘崎庵[*] m[*]

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