[コメント] パイレーツ・オブ・カリビアン 呪われた海賊たち(2003/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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個人的にジョニー・デップの演技があまり好きじゃないっていうのもあるんですけど、この映画で主人公の人物像がしっかり描けているとは思えない。ヒーローものなら、ヒーローそのものに魅力を感じないと楽しむのは辛い。
ところどころに挿入されるギャグも、特にユーモアを感じず、場当たり的などうでもいい寒いギャグだとしか思えない。
アクションも例えば序盤の小屋での剣を使っての決闘シーン。剣での決闘はビジュアル的に好きなのに、全く惹かれなかった。アクションそのものについてはシーソーのようなものを使って工夫しているけど、それと遠くから撮っているだけで……カットのつなぎ方やカメラの位置次第ではもっと迫力が出たと思うんですが。盛り上がるはずのシーンでひたすら退屈しました。アクションシーンについては全編同じような感想です。
あと、略奪しまくりな海賊を悪として描いていますが、まぁ略奪をほめるわけではないけど、海賊なんだからそりゃ略奪もするだろう、と。で、じゃあ主人公は略奪をしないのか?なども結局よくわからない。義賊っぽい雰囲気は漂わせていましたが、じゃあ主人公一味はどうやって生活してるんでしょうか……(こういうことを言い出す時点でこの映画に私は向いてないんだろう)
主人公が義賊でどういう生活しているという背景が全く見えないので、略奪する海賊許すまじ! って流れになっても、子供だましというか都合がいいというか……。「いや、だってあんたも同じ海賊なんだろ?」と。海賊じゃない、まっとうな生活を送る人が「許すまじ!」って言うならいいんですけどね。 というわけで、全体のストーリーに全くノれません。
呪われたのも天罰だって言いたいのかもしれないけど、海賊という視点で見れば「運の悪い奴らだなぁ、ヘマしたなぁ」ってだけですよね……。 そんな海賊を「モンスターだから倒し放題! 殺しても無問題!」っていうのは不愉快でした。
せめて、殺した相手が人間で相手の血を浴びるような、血なまぐさい戦いなら……いや、ディズニーでそれは無理だってわかってますが……。殺された側はどんな奴だろうと元は人間なわけで、殺した相手の痛みが全く見えないように作られている時点で辟易。 私には全く向いていない映画でした。
ワンピースみたいに船でどこかを目指すわけではないし……、海賊という設定っていっそ不必要では?
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